少子化と言われて30年近く経過したいま、日本の人びとが抱える問題とは何でしょう?ただ、長生きするだけでなく、健康に生きることに関心が高まっています。
では、健康な体はいつ作られるのでしょう?子どもの人口が減り続けているにも関わらず、発達支援が必要な子どもの人数は増加傾向にあります。( nippon.comより引用)
では、発達障がいとはなんでしょう?
発達障がいの定義とは「中枢神経の機能不全」とされています。
中枢神経とは“脳”と“脊髄”のこと。
これらの高度感受性期は妊娠初期であり、髄鞘化する期間は生後12か月の間です。
ひとの中枢神経が発達する黄金期は胎内から生後1年間といえるのです(図2)。
身体の協調運動、口腔機能の発達、言語の獲得、内臓機能の発達、母子愛着から始まる心理的発達など、ひとが健康に生きていく基盤づくりが、生後1年間にあります。
これら中枢神経系の基盤が成熟することで、他者との相互理解や協働、困難に対して工夫して乗り越える心身が追熟するのです。
助産院大地は、周産期ケアを通して人びとの健康と向き合ってきた7年間の歴史があります。不妊、妊娠中のマイナートラブル、産後うつ、子育て不安、子どもの発達の問題、小中高大学生の健康問題、大人の健康問題、老若男女問わず、すべての命と関わってきました。
その結果感じたものは、「病院と健康生活の狭間にいる命」に対する支援の重要性です。
この狭間にいる命の課題を3つまとめました。
①QOL(生活の質)の低下
お医者さんに様子見て…と言われても、実際には生活で困っていることが多い
②抱えている問題の多様性
体だけでなく、心、栄養、睡眠、社会との関係性など、問題の原因が多岐にわたっている
③多様性ゆえに支援方法の模索が困難
支援先はたくさんありそうに見えるが、包括的ではない。
この問題はあっち、これはこっちと、支援先を探すことに疲弊している。
医療機関に通っていても、薬を飲んでいても、経過を見ていても、健康問題や生きづらさを抱えている子どもや大人の増加が現実です。複雑に絡み合う問題を抱えている人たちは、どの支援先に行けばよいのか、何をすれば改善できるのか、考えることも探すことも困難になっているのです。
発達に問題が出てからどこかに行くのか?
病気になってから病院に行くのか?
そうではなく、より健やかに発達し、より健やかに生活していく力が、ひとにはあります。
その力に気が付き、伸ばす方法を知る。
そうすることで、ひとの力はより輝きます。
どの年齢でも、どんな状況でも
まずは自分の体の現状を知る、誰かと考える、そして気が付く
そんな場所が、これからの時代には必要なんだ!
その思いがこの事業を立ち上げるきっかけとなりました。
本事業の特色は3つです。
①「地域のかけこみ寺」となること
全世代に向けた多機能型総合支援センターを実現し
すべての命に高度な知識と技術をもつ多職種チームが向き合います。
②健康問題の改善だけでなく、予防に特化した支援センターであること
健康に生きる体づくりの黄金期は胎児期から生後1年。
子宮の中からひとの発達と健康を支援します。
③継続した切れ目のない支援であること
命の宿りから、生まれて育つまで、どの世代とも向き合い、
ひとの心と体の健康を支援します。
そして命の歴史を生きる力に変換し、
ひとが「自律」する場所を目指します。
代表:山口香苗